Case技術・事例紹介
2026年熊本地震における
衛星SAR(ALOS-2/ALOS-4)による
高速道路損傷箇所周辺の変位について
速報:2026年8月1日版
はじめに
- 2026年熊本地震において、八代市周辺にて高速道路が損傷被害を受けた。
-
2026年7月31日の西日本高速道路株式会社より、
九州自動車道の川田橋、片野川橋、妙見第一橋において、大きな損傷が報告された。
https://www.w-nexco.co.jp/emc/emcpdfs/20260731082107-01.pdf - 衛星SARデータを使用し、損傷エリア周辺における地震時の地盤沈下について調査する。

衛星観測の状況
- 熊本地震後にALOS-2にて緊急観測が実施された。
- 2時期のデータを用いて、差分干渉処理により地震後の変位を求めた。

強度画像
赤い箇所が地震後に強度が低下したエリア。強度画像では高速道路の損傷箇所は明確に確認できない。

地震後の変位(北行)
- 川田橋付近には変位(緑)が確認できない。
- 片野川橋、妙見第一橋付近では、衛星から遠ざかる方向(沈下もしくは東)の大きな変位(青)を確認した。

地震後の変位(南行)
- 川田橋付近には変位(緑)が確認できない。
- 片野川橋、妙見第一橋付近では、衛星から遠ざかる方向(沈下もしくは西)の変位(青)を確認した。

4. まとめ
- 川田橋付近では北行および南行の観測ともに顕著な変位は確認できなかった。
- 片野川橋、妙見第一橋付近では、北行および南行の観測ともに衛星から遠ざかる方向の変位を確認した。北行および南行ともに遠ざかる方向であり、この周辺の変位は沈下していると考えられる。
- 地震による地盤沈下と橋梁損傷への影響は詳細を確認中。
- 本資料で示されている、変位量はこのエリアを基準にした相対的なものであり、GPSによる絶対的な変位量との比較はできない。
謝辞
本資料では、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が2026年熊本地震発生後に実施したALOS-2/PALSAR-2緊急観測データを用いて解析を実施した。貴重なデータをご提供いただいたJAXAに深く謝意を表する。
